命の時間を分かち合う。母との福井旅で見つけたもの。

命の時間を分かち合う。母との福井旅で見つけたもの。

「温泉に行きたいな」という母の言葉をきっかけに、今回は福井県へと足を運びました。

がんサバイバーとして歩み始めてから、私にとって「家族との時間」は、単なる休息以上の意味を持つようになりました。かつて病室の窓から願った「いつか」が、今、目の前の現実として流れている。その奇跡を噛みしめる旅でもありました。
そして母もがんサバイバー。手術回数は私より多い。そんながんサバイバー親子の旅です。

福井県大野市にある「御清水(おしょうず)」では、こんこんと湧き出る水をいただきました。喉を通り抜けるスッキリとした透明感に、身も心も洗われるような心地よさを覚えます。自然の恵みをそのまま受け取る贅沢。それは、多忙な日常で忘れがちな「五感を研ぎ澄ます」ことの大切さを思い出させてくれました。

昼食に立ち寄ったのは、越前おろしそばの名店「けんぞう」。ピリリとした辛みの中に蕎麦の香りが広がる一杯を堪能し、その後は丸岡城へ。

実は私の中に「現存天守をすべて制覇する」という密かな目標があります。一段一段、歴史の重みを感じながら急な階段を登り、天守から吹き抜ける風を受けたとき、目標に向かって一歩ずつ進むことの純粋な楽しさを再確認しました。

旅の締めくくりは、山代温泉。湯船に浸かり、ゆっくりと身体を解きほぐしながら、今日一日の出来事を振り返ります。

大きな逆境を乗り越える力は、こうした「満たされた日常」の中に蓄えられていくのだと私は信じています。困難に直面している時こそ、人は「何のために生きるのか」を問い直します。その答えは、誰かの笑顔や、美味しい食事、そして目標に向かう高揚感といった、案外身近な場所にあるのではないでしょうか。

講演家として、私はこれからも「命の輝き」を言葉にして届けていきます。旅で得たエネルギーを、今度は誰かの勇気に変えるために。

新名秀彦としての歩みが、今日もどこかで誰かの心に、小さな希望の種をまくことができれば幸いです。


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