治療を拒否した僕に、主治医がかけてくれた言葉。

治療を拒否した僕に、主治医がかけてくれた言葉。

今日は、僕が抗がん剤治療を自分の意思でやめると決断した時のこと、そしてその後の主治医とのエピソードをお話しします。

この薬が、命を削っている

膵臓からさらに肝臓に転移し、余命半年と宣告されたタイミングで、標準治療(FOLFOX)の抗がん剤を打っていました。しかし副作用が本当につらく、息苦しさや手足のしびれがひどくなるばかり。この薬を打ち続けたら、がんで亡くなるのか、抗がん剤で命を取られるのか、どちらにしても死を迎える、そんな強い感覚に陥りました。

先生は必死に説得してくれましたが、僕は自分の直感を信じ、家族にも同意してもらったうえで、治療を中止する決断をしました。その結果、病院で提供できる治療はもう何もないと言われ、いわゆる治療難民のような状態に自らなりました。生命保険のリビングニーズ特約を受給し、もしもの時の準備をしながら、何がなんでも生きてやると覚悟を決めた時期でもありました。

見捨てられるかもしれない、という不安

自分で治療を拒否したわけですから、正直なところ、病院から見放されても仕方がないのかなと、心の中で少し不安に思う部分もありました。そんな僕に対して、主治医の先生がかけてくれた言葉があります。

「治療はしなくてもいいから、毎月必ず診察にくると約束してください。体調を報告しに来なさい。最後までちゃんと面倒を見るから」

本当に、この言葉には救われました。納得できない治療を断るという選択をした僕に対して、先生は見捨てることなく、最後まで伴走する覚悟を見せてくれたのです。

一人で戦うということではない

僕は普段から、命の主人公は自分自身、自分の体の責任者は自分だとお伝えしています。納得できない治療を断る勇気も必要だと思っています。でもそれは決して、一人で戦うということではありません。ドクターは一緒に歩んでくれる大切なパートナーなのだと、この時、心の底から実感しました。

自分が納得して決断したこと、そしてそれを受け入れ見守ってくれる先生との信頼関係があったからこそ、暗闇の中でも希望を失わずに、今こうして生かされているのだと思っています。このエピソードが、皆さんの心に少しでも届けば幸いです。

講演家  ニーナヒデヒコ


苦しかった抗がん剤~どんな副作用があったか(ステージ4大腸がん)~VOL.010

YouTubeはこちら