がんと向き合った、12年前の今日。 人生が静かに動き出した瞬間。

がんと向き合った、12年前の今日。 人生が静かに動き出した瞬間。
新名秀彦 | 2026年春
まもなくゴールデンウィークですね。この時期になると、ある一日が胸によみがえります。
014年4月20日
友人たちと囲んでいた食卓は、突然の激しい腹痛によって一変しました。
救急車搬送、検査室、そして造影剤が体を巡る感覚。結果を待つ時間の中で、不思議と心はどこか落ち着いていました。「おそらく癌でしょう」医師の言葉を聞いた瞬間、強い絶望よりも、ついに来たかという小さな衝撃と、どこか楽観的な気持ちが同時にありました。
病室の窓から見た、春の光
間もなくゴールデンウィークを迎える時期の病室は、外の世界から切り離されたような感覚でした。まぶしい春の光、連休の気配が満ちた街、その対照的な光景を眺めながら、言葉にしがたい静かな孤独を感じていました。それでも、毎日午前も午後も誰かがお見舞いに来てくれた。人の存在そのものに、確かに救われていました。
終わりではなく、静かな始まり
あの日、健康だった自分からがん患者として生きる自分へ、一つの区切りが訪れました。けれどそれは終わりではなく、これまでとは違う視点で人生を見つめ直す、始まりでもありました。講演家として言葉を届ける今の自分の原点には、あの春の記憶があります。
人生には、思いがけない転換点が訪れます。望んだ形ではないかもしれない。けれど、その出来事が新しい生き方を運んでくることもある。今日の春の光も、あの頃と変わらず、今もやさしく差し込んでいます。
講演家 ニーナヒデヒコ
はじめてがんと告知された日~その時の心境や手術について~ VOI.002
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