ただ心臓が動いていることと、生きることの違い。

ただ心臓が動いていることと、生きることの違い。

ベッドの上で天井を見上げながら、自分にとって生きるとはどういう状態なのかを、何度も自問自答していた時期があります。

取り戻したかったもの

抗がん剤の副作用で体はボロボロになり、起き上がることもできず、ただ一日が過ぎるのを待つだけの日々。トイレとベッドを往復するだけの時間の中で、私はふと立ち止まりました。

  • 家族と顔を合わせて言葉を交わすこと。

  • 自分の足で一歩ずつ歩くこと。

  • 外の空気を胸いっぱいに吸い込んで活動すること。

それができないまま、ただ何ヶ月かの時間を延ばすことと、たとえ短くなったとしても、自分の意志で動ける時間を持つこと。どちらを選ぶべきなのか、暗闇の中で答えを探し続けました。

生きるとは、自分の意志で動くこと

私にとって生きるとは、ただ心臓が動いていることではありませんでした。自分の意志で動くことでした。治療を続けること自体が目的になってしまうと、本当に守りたかった自分の生活や、人として活動する時間がどこかへ消えてしまいそうになります。もちろん、必死に今日をやり過ごす時間も決して無駄ではありません。

自分の命のハンドルを誰かに預けっぱなしにせず、どう生きたいのかを自分で選ぶ。その覚悟を決めた瞬間から、私の景色は少しずつ変わり始めました。

今日も自分の足で立ち、自分の意志で一歩を踏み出していこうと思います。

講演家  ニーナヒデヒコ
本名 新名秀彦