石垣の名城、丸亀城へ。現存十二天守制覇まであと二城と、旅の予感。

石垣の名城、丸亀城へ。現存十二天守制覇まであと二城と、旅の予感。
全国各地へ講演で呼んでいただく際、移動の合間にできる限り時間を作って訪ねている場所があります。それは全国のお城巡りです。
城は、知恵と美意識が凝縮された芸術作品
昔からの歴史好きで、お城ファンでもあります。私にとって城は、単なる歴史の遺物ではなく、当時の人々の知恵と美意識が凝縮されたひとつの芸術作品のような存在です。敵の侵入を徹底的に防ぐ軍事拠点としての機能美と、時の権力者が誇示した威厳の象徴。細部まで考え抜かれた構造を見つめていると、時間を忘れて引き込まれてしまいます。
扇の勾配と、日本一小さな現存木造天守
今回立ち寄ったのは香川県にある丸亀城です。扇の勾配と呼ばれる美しい曲線を描く石垣が天守を支え、その高さは日本一を誇ります。そしてその上にちょこんと佇む木造の現存天守は、日本一小さな現存木造天守としても知られています。見上げるとその対比が実に美しく、険しい坂道を登りきって天守を仰いだ瞬間は、思わず息を呑むほどでした。
制覇まで、あと二城
この丸亀城を訪れたことで、江戸時代以前から残る全国十二の現存天守制覇まで、いよいよあと2城となりました。かつて全身への転移や余命宣告を経験し、病室のベッドから動けなかった日々を思えば、こうして自分の足で石垣を登り、歴史の風を感じられていること自体が、本当にありがたい巡り合わせだと胸が熱くなります。
目標に向かって一歩ずつ進む楽しさを噛みしめながら、大満足で丸亀城を後にしました。
ただ、このときの私はまだ気づいていませんでした。この充実感に包まれた直後、旅の相棒であるスーツケースを巡って、とんでもないドタバタ劇が待ち受けていることなど、知る由もありませんでした。
講演家 ニーナヒデヒコ
本名 新名秀彦
©︎ 2026 Nina Hidehiko