なんとなく不安が、命を救った日のこと。

なんとなく不安が、命を救った日のこと。
新名秀彦 | 2026年5月
ゴールデンウィークが明け、眩しいほどの新緑が街を彩る季節になりました。日常が戻ってきた安堵感とともに、少しずつ初夏の気配を感じる今日この頃です。
2リットルの下剤と、ある記憶

私は今、1年ぶりとなる大腸内視鏡検査を控えています。氷でしっかり冷やして、あの2リットルの下剤をなんとか喉に通しながら、ふと数年前の出来事を思い出していました。

根拠のない不安を、無視できなかった
かつて、検査の間隔について主治医と相談したときのことです。先生は前回の結果から見て1年後で大丈夫、と言われました。医学的な知見に基づいた言葉だったと思います。けれど私の心の中には、言葉にできない、なんとなくの不安が消えずに残っていました。痛みも目に見える不調もない。ただ、少し早めに診てもらいたい。その感覚を無視できず、私は先生に無理を言って半年で検査を受けました。
結果、大腸にがんが見つかりました。
先生は神様ではない。そして、自分も医師ではない。
この経験は、先生を責めるということではありません。先生もまた一人の人間であり、データや経験則では測れない、その人だけの体の声というものが確実に存在します。病院に行くと、私たちはついプロである先生にすべてを委ねたくなります。でも、自分の体の変化や違和感に、世界で一番早く気づけるのは自分自身です。
不安を言葉にする勇気を持ってほしい
不安があるなら、それを言葉にすることを恐れないでください。先生と対立するのではなく、一緒に考えていくパートナーとして、自分の感覚を伝えていいのです。先生の言葉を信じること、そして自分の感覚を大切にすること。その両輪が揃って初めて、私たちは自分の命と誠実に向き合えるのかもしれません。
この時の葛藤や、自分の体を守るための考え方についてYouTube動画でも詳しくお話ししています。
大腸がん発覚。なんとなく不安を信じた自分に救われた。医師の判断と患者の直感。
YouTubeはこちら
動画を通して、今何かしらの不安を抱えている方の心が、少しでも軽くなるきっかけになれば幸いです。
講演家 ニーナヒデヒコ
©︎ 2026 Nina Hidehiko