人生の運転席から降りないと決めた日。

人生の運転席から降りないと決めた日。
助手席でただ震える側になること
先生にお任せしますと言えば楽になれると、本気で思った日がありました。抗がん剤を中止しようか迷う中で余命半年を告げられたとき、私の頭をよぎったのは、誰かに全部決めてほしいという甘えでした。名医と呼ばれる先生や、心配してくれる周囲にすべてを預けてしまえば、この恐ろしい決断の重みから逃げられる気がしたのです。でも、その瞬間にふと気づきました。任せるのは簡単だけれど、それは自分の人生の運転席から降りて、助手席でただ震える側になることと同じでした。
ハンドルだけは、手放してはいけない
病気になったとしても、ハンドルだけは手放してはいけない。そう自分に言い聞かせたのを覚えています。もちろん、医療のプロである先生方の力は欠かせません。けれど、治療方針を選ぶのも、これからどう生きるかを選ぶのも、最後の答えを出すのは自分自身です。助手席に乗ったままでは、どこへ連れて行かれても納得ができません。
自分でハンドルを握るということは、怖さも引き受けるということです。それでも、自分で選んだ道だからこそ、どんな結果になろうと後悔は小さくなります。
迷ったり立ち止まったりしても大丈夫です。ただ、自分の命のハンドルだけは、ゆっくりと自分の手で握り直していきましょう。
講演家 ニーナヒデヒコ
本名 新名秀彦
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